zakkuri_zakkuri's blog

140字じゃ伝えられないことをときどきね。

編集記事と広告と

「ネイティブアド」という広告形態が、ウェブ媒体社を中心に去年末ぐらいから注目されてきているらしいですね。

個人的には、この広告なんだか記事なんだかわからない「あやふやな概念」の広告形態が顕在化してきたことは、テキトーな人間がテキトーなことを流布するようになっちゃうと、またしてもウェブ媒体の「信頼性」「信憑性」といった価値を揺るがしかねないなあと懸念しています。

 

「ネイティブアド」の概念の中に、恐らく含まれるであろう「記事体広告」は、それこそ「雑誌タイアップ」から「新聞の記事広告」などの形態を含み、その歴史は長いと思います。これまでとの変化と言えば、広告が掲載されるプラットフォームとしての媒体の種類(量)が増し、競合媒体が増えたがために、注目率向上への施策が多様化してきたということでしょうか。

こうした中で、

「消費者がどういった(広告)情報であれば信用して接触してくれる」

⇒よく読みこんで購買にまで結びつけてくれる」

のかを考えると、

「まずはとにかく接してもらう、少しでも長く読んでもらう」

⇒そのことで出来るだけ長い時間自社の製品情報に接触してもらう、理解してもらう」

という流れになるのは自然でしょう。

この「注目率」を上げるために、読者がついている「媒体社の看板」を活用するのは自然な流れです。

 

ワタシ個人的には、この媒体社の看板をうまく活用して「広告・PR」の展開を行うことには基本的に賛成です。媒体社の編集方針や目指すべき方向、コンテンツに協賛してもらうスポンサーを探し当て、ともに「コンテンツ展開する」「情報を流していく」ことで、媒体のファンである「読者メリット」「読者が必要としている情報」にきちんと繋げていくということが大前提とされて進めていく「ネイティブアド」はもっと研究されるべきではないでしょうか?そしてこのことが、安定した媒体の収益構造に貢献するのであれば、その研究はもっとなされるべきだと思います。

 

ただ残念ながら、いくつかの媒体で広告の要請に引きずられて、編集記事そのものさえ「提灯記事」に成り下がってしまっている事例が散見されるのはがっかりです。「ネイティブアド」という概念が一般化するにつれて、きちんとした広告と編集記事の「住み分け」ができている媒体とそうでない媒体との間で、読者間での「格付け」が行われ、いい加減な媒体が淘汰されていくと言う流れが加速すると思います。

 

媒体社の看板、せっかく自社の編集コンテンツを信頼して読んでくれている消費者を「裏切る」結果になるように使う媒体は、言わずもがな嫌われ、離反されていくものになるでしょう。これは何もインターネット媒体だけではなく、既存4マス媒体を俯瞰しても感じるものです。これまで以上に媒体社の編集と営業の双方のセクションが密に連絡をとりあい、バランスよい展開にしていくかが鍵となるのはいうまでもないでしょう。

 

 

そういう意味では、今年「媒体としてどのような主張・ポリシーを持っていくか」と同時に、広告の展開においても「いかに読者を騙さず、誠実に消費者と向き合うか?」が厳しく問われるように思います。「フェイク」や「盛る」行為はどんどん淘汰されていくのでしょうね。そう思います。